Monsieur Voice / ムッシュ@Rock 

1999〜2017 携帯サイト"ARTIST NUDE"より

【ヤ】


 

U2

ポストパンク・ロックの旗手、U2登場
時は1976年、アイルランドはダブリンのとある高校でラリー・ミューレンJr.(ドラムス)が張り出した「バンドメンバー求む」の張り紙。
これが80年代から現在に至るまでポスト・パンク・シーンのロックを代表するバンドとして君臨することになるU2の誕生だった。
これに応えて集まったボノ(ボーカル)、エッジ(ギター)、アダム・クレイトン(ベース)そしてエッジの兄ディック・エヴァンス(ギター)を加えた5人はフィードバックなるバンドを結成。
翌年ディックの脱退後U2とバンド名を変えた4人はアイルランド国内でEPやシングルを発表した後1980年メジャーのアイランド・レーベルと契約、大物プロデューサーのスティーヴ・リリーホワイトによる『ボーイ』(1980)で鮮烈にメジャー・デビュー。
アイルランドの広い大地に澄み渡るような力強く研ぎ澄まされたサウンドは英米のファンを獲得し、U2の存在を世界に知らしめた。
【ムッシュから一言】
1981年の「アイリッシュ・オクトーバー」から聞くようになったのだけどやっぱりMTVのおかげかな?ケルトちょっと入ってます的なアイルランドロックというイメージでU2を聞き始めました。
 
アメリカへの憧憬とスーパースターダム
2作目『アイリッシュ・オクトーバー』(1981)でアメリカでもMTVで人気を得たU2は3作目『WAR(闘)』(1983)の全英No.1で一気にブレイク。母国の政治問題を題材とした「ブラディ・サンデー」「ニュー・イヤーズ・デイ」が英米のカレッジ・ラジオやMTVで大ヒットし、彼らの人気を決定付けた。
故マーティン・ルーサー・キング師に捧げた「プライド」などアメリカと宗教的信念への思いを見せた作品を含む自作『焔』(1984)でまたも全英No.1を獲得したU2はこの年ライヴ・エイドで聴衆の人気をかっさらう名演を見せ、世界中の注目の的に。
そんな中リリースされた『ヨシュア・トゥリー』(1987)は初めて英米でNo.1を獲得。「ウィズ・オア・ウィザウト・ユー」など2曲の全米No.1ヒットを放ったこの作品は、その年のグラミー賞最優秀アルバムを獲得、英米でU2を一気にスーパースターダムに押し上げたのだった。
【ムッシュから一言】
僕はボノがあまりにも政治問題を題材にしたり宗教的信念への思いとか社会的活動に余念が無いとかでU2の音楽は大好きなんだけどついて行けなくなったのは事実です。
 
エレクトロニカへの接近
『ヨシュア・トリー』の成功とそれに続く全米ツアーの様子を納めた映画『魂の叫び』(1988)でアメリカ音楽への憧憬を露わにしたU2は2年の活動休止の後、エレクトロニックなサウンドとU2らしさが融合した『アクトン・ベイビー』(1991)で再び英米No.1に。
続くZoo TVツアーを経由して更にエレクトロニカ&ダンスに接近した『Zooropa』(1993)、そしてイーノとのU2メンバーのプロジェクトであるパッセンジャーズ名義の『オリジナル・サウンドトラックス1』(1995)を経て、テクノ&ダンスとの融合作『Pop』(1997)を発表、ポップマート・ツアーと共にU2サウンドを実験的に発展させたという意味でキャリアの一つのピークを記録した。
初のベスト『ザ・ベスト・オブU2 1980ー1990』(1998)で90年代に幕を閉じたU2は一方で北アイルランド爆弾テロ犠牲者のチャリティを行うなどの社会的活動にも余念がなかった。
【ムッシュから一言】
遠くはるかにポップの世界をぶっ飛んで政治家にでもなればいいのにと思ってます。
サミットだのG8だの貧困救済の会談などと聞くとなんだかロリーギャラガーとかブライアン・ジョーンズがすごく懐かしくなってきちゃったんだよねぇ。
 
そして王者は王道を歩む
2000年代をシンプルで力強いサウンドと人生への思索と信念に満ちた傑作『オール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインド』(2000)でスタートしたU2は翌年「エレベーション・ツアー」なる世界ツアーを敢行。途中ボノの父親の死やアメリカ貿易センタービルでの同時多発テロなどにもかかわらず世界にメッセージを届け続けたこのツアーは大成功。
収録の「ビューティフル・デイ」「ウォーク・オン」は2年連続グラミー賞最優秀レコード受賞、U2は王者に相応しい賞賛を得た。
最新作『ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム』(2004)で再びスティーヴ・リリーホワイトと組み、これまで以上にストレートで疾走感溢れるロック・アルバムを発表。
今年はボブ・ゲルドフ主催のライヴ8への出演や、グレンイーグルズ・サミットでG8各国首脳とアフリカ貧困救済のための会談等世界で最も尊敬されるバンドに相応しい活動を続けるU2の今後が楽しみだ。
【ムッシュから一言】
まあすごいバンドなのでこれからもステキなロックを作って下さればそれでいいです。アーメン。